装着できる椅子!?アウディのチェアレス・チェアが凄い!

アウディというと、ドイツの高級自動車のイメージが強いかもしれません。しかし、アウディは自動車技術を生かして、新たにチェアレス・チェアを開発していました。チェアレス・チェアというと奇妙なネーミングですが、ある特定の労働者に絶大な効果が出ていて、現在非常に注目されているのです。

見た目は空気椅子。しかしハイテク装備と組み合わさり・・・


チェアレス・チェアは、「椅子のない椅子」ということになります。そう表現されるほど、通常の椅子とは全く異なった構造を持ちます。見た目からして、空気椅子とたとえてもいいのかもしれませんが、機能は空気椅子とは全く異なります。チェアレス・チェアのうまいたとえは、ないと言えるほど画期的なものです。
果たしてどこが「椅子のない」ポイントなのかというと、まず脚が2本しかありません。しかもその2本の脚は、通常の椅子のように真っすぐ独立して支える形ではなく、人間の脚と一体化しています。腰かけの部分は地面と平行ではありません。しかも膝の部分が、油圧により曲がるため、腰かけの傾きは、ほぼ立った状態から中腰の状態まで自在にコントロールできます。
そして、チェアレス・チェアの最大のポイントは、腰、膝、くるぶしの3点を固定するベルトです。空気椅子だと、筋肉のバランスで保たなければいけないため、同じ状態を長時間保つのは難しいです。しかし、チェアレス・チェアは、バランスが崩れないように3点がベルトでしっかり固定されます。しかも、膝の部分が自由に曲がるため、一見空気椅子に見えても、人間にかかる負担が非常に少なく、楽に作業ができるのです。
見た目は空気椅子でも、ハイテク装備と組み合わせることで、楽をして仕事をしたい人間のニーズに応えられるのが、アウディのチェアレス・チェアなのです。

人間とアウディとチェアレス・チェア


アウディのチェアレス・チェアは、現在アウディの自社工場で運用されていますが、生産工程に携わるメカニックに非常に好評を得ています。
チェアレス・チェアの大きな目的は、従業員の健康の維持にあります。生産工程は流れ作業なのですが、部品の位置の関係上、どうしても中腰での作業が求められる場合があります。アウディの生産工程の作業員は、1日8時間以上の立ち仕事を強いられます。大量生産が求められる現場で、空気椅子の状態で長時間作業を続けることは、肉体的にも精神的にも大きな負担になります。その問題を、チェアレス・チェアでクリアにすることができます。
また、チェアレス・チェアは、生産効率の向上も大きな目的としています。チェアレス・チェアは、設計が非常にコンパクトなため、スペースの確保にもつながります。アウディの生産工場は、効率を最優先した設計がなされているため、通常の椅子を置くスペースがありません。チェアレス・チェアは、重量が2.4kgで、持ち運びも簡単にできます。作業が必要な場所に携行し、セッティングを終えれば、限られたスペースを有効活用して、作業を行うことができます。
一見空気椅子のようで、人間が座った時の見た目も良いとは言えないまでも、アウディのメカニックがチェアレス・チェアから受ける恩恵は絶大と言えます。

チェアレス・チェアがもし日本で広まったら・・・


アウディの生産工場に限らず、長時間の立ち仕事が必要になる現場では、今後もチェアレス・チェアの活躍の場が大きく広がる可能性を秘めています。農家、販売員、漁師も、その一例です。
もし日本でチェアレス・チェアが広まると、どのようなことが起きるでしょうか。日本は世界でも上位の工業大国です。トヨタ、ニッサン、ホンダなどの自動車メーカーの生産工程はもちろんのこと、国内で生産される食品工場の流れ作業で、チェアレス・チェアは非常に重宝されることでしょう。食品工場では、30代から60代の社員やパートが主に働いていますが、立ち仕事でひとりでも健康状態を悪くしてしまっては、生産性が一気に落ちる危険をはらんでいます。チェアレス・チェアを導入できれば、実際の休憩時間以外にも、「働きながら」小休憩をとることができるため、快適度は大幅に向上することでしょう。
他にも、日本は水産大国であり、農業大国です。そして、高齢大国でもあります。見た目の格好良さを求めない仕事なので、チェアレス・チェアによって作業負担が軽減されれば、ゆくゆくは日本の食の安全を守ることにもつながります。
もし見た目で周囲から言われることもなくなれば、混雑が発生する電車やバスに導入することもできそうです。大きく揺れる車内で、つり革や手すりと併用してチェアレス・チェアを使えば、通勤が非常に楽になるかもしれませんね。

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