アウディと言うと一昔前までは高級車というイメージでした。車の車種もグレードも現在の国産が負けないほどの質感を達成した今、価格的な面で国産とどれだけ違いがあり、アウディは高級車と入れるのかどうか分析してみます。

アウディA3スポーツパック

アウディの新車人気が一番高いと言われる、A3スポーツパックは価格帯が300万～600万弱となっています。
排気量は1400cc～1800cc、燃費は20リッター前後という事を考えると、一般的な国産車の価格帯と全く変わりません。
現在の一番人気である、アウディA3スポーツパックは高級車と言うよりも、日本の国産車と同様に日本人も捉えている証拠です。アウディ自体が日本だけでなく、世界的な潮流であるコンパクト、低価格、低燃費に標準を合わせている証拠でもありますね。同じ価格帯の国産車は、トヨタであればプリウス、日産であればリーフ、マツダであればアクセラあたりと競合させる為に作られた車と言えそうです。つまりこの価格帯で、この性能は日本だけでなく、世界的な潮流のベーシックモデルとして打ち立てている可能性が高く、今までのアウディのイメージである高級車というレッテルから、質感は高くても価格や大きさ、燃費などに対してはダウンサイジングに成功したことを誇示する為の車で、もはや高級車というよりも、高級感を失わない大衆車と言っても良い仕上がりになっている事は間違いありません。

アウディQ3の値段設定

“A3スポーツパックが価格、燃費、サイズに関して日本の大衆車と接戦を演じられるほどの状態であるのに対して、アウディQ3は値段、サイズこそA3スポーツパック同様ですが、燃費はやや落ちます。その代わり、スポーツ性に特化して、キビキビ走り、若者が嗜好しやすいようにしている事が伺われます。燃費の代わりに走りを伸ばし、室内のスペースも若干犠牲にしている面をマイナスと捉えるのか、プラスと捉えるのかはその人の使用用途によるところが大きいので、当然ベーシックモデルをA3とすればスポーツ性をとっていることは手に取るように分かります。
同様の日本車であれば、スポーツ性に特化すると、価格も若干上がりがちになるところ、しっかりと押さえてきているところは賞賛に値するでしょう。但し、やはりマニアックな面は否めませんので、日本でアウディに乗っていた人で、更に敏捷性を求めている人という限定的な顧客を想定した車という事が先立ちますので、万人受けする可能性は少ないのです。
しかし、本道から少し外れても高級感、質感は外さないというところがアウディ好きにはたまらない一品であり、国産車が今一歩力の足りないところかも知れません。”

アウディA3セダンの値段設定

アウディA3セダンもスポーツパックやQ3と値段設定や評価は大きく変わりません。しかしながら、なぜA3セダンを出したのかというと、やはりこの価格帯、燃費、サイズが日本では一番受け入れやすく、今まで高級車と考えられてきたアウディの殻を破る車だからこそ、日本では人気上位に並べられているからです。
この3車種の違いは、室内のスペースと使用目的の違いだけです。反対に、この3車種の共通点は、アウディ独特のデザイン、内装の高級な質感、安心、安定性でしょう。やはり、高級車という良いイメージはいつまで経ってもアウディにはついてくるのです。それは、イメージだけでなく、アウディが誠心誠意、細やかな気配りのもとで信頼を重ね、質感を上げながらも様々なスタイルを打ち出しているからに違いありません。
そしてアウディの高級価格帯は1500万台であり、このような高級車本来の気品と高級感を損ねることなく、ダウンサイジングに成功し、燃費、価格も大幅に下げ、日本など狭い道路、駐車場という立地にまで考慮した結果が、A3であり、Q3であることの証なのです。やはりアウディは高級車ですが、価格は大衆向けまでのバリエーションを持たせているという事が分かりました。