4つの輪の謎…アウディのロゴにはこんな意味が込められていた!

海外自動車メーカーのロゴの中でも、特にそのシンプルさから来るインパクトで目を引くアウディのロゴ。フロントグリルにあしらってあるその4つのリングは「フォーリングス」と呼ばれアウディを象徴するものとして認識されていますが、4つのリングそれぞれには意味があるということをご存知でしょうか?

4つのリングは、アウディの離散と集合の賜物

emblem2
アウディの創業者アウグスト・ホルヒは1899年に自分の名前を冠した自動車会社のHorch社を設立します。「Horch」とはドイツ語の「horen」という単語が元となっており、これには「相手の話をよく聞く」という意味があります。ホルヒは自分の名前の由来となった単語である「horen」を体現するために金銭を惜しまず注ぎ込んだ大変性能の良い車を設計・開発していきましたが、そうした姿勢がHorch社の経営陣との軋轢を生んだため、結果ホルヒは1909年にHorch社を追い出されてしまいます。
ホルヒはその後、今度はラテン語で同じ「よく聞く」といった意味を持つ「audio」を語源とする新しい会社を、同年中に設立します。その名前がAudiなのです。
しかし、折からの社会的な問題もあり、自動車会社の経営は必ずしも上手くいきませんでした。そこで紆余曲折あったHorch社とAudi社、それにDKW社とWanderer社を加えた計4社が連合して、現在のAudiの前身である「Auto Union AG」を設立するに至るのです。Audiのフォーリングスのリングの一つ一つは、この時の4社それぞれを表しているのです。

Auto Union社とそのロゴの変遷

emblem3
1932年に自動車会社4社が連合して設立されたAuto Union AG社は、フォーリングスをロゴとして採用しました。
第二次世界大戦が終了し、1949年になるとAuto Union AG社はAuto Union GmbH社と変わります。それに伴い、ロゴもフォーリングスに「Auto Union」の社名が入ったシンプルなものに変更されました。さらにこの20年後、Auto Union GmbH社は1873年創業の老舗自動車メーカーであるNSU社を吸収することでAudi NSU Auto Union GmbH社と社名を変更します。ここで連合後初めて社名にAudiの文字を冠するようになりましたが、これに反してロゴからフォーリングスが消えることになるのです。
1985年になると社名がAudi AGとして現在言われている「アウディ」となり、ロゴも楕円の中に「Audi」の文字が入ったものに一新されます。さらにこれを経て1994年にフォーリングスがアウディのロゴとして復活するに至ります。2009年以降から現在に至るまではこのシンプルなシルバーのフォーリングスの隣に、「Audi」の文字と会社の理念をあしらった言葉が入ったものに定着しています。

アウディのロゴにこめられた想い

emblem4
フォーリングスとともにあしらわれている企業理念の「Vorsprung durch Technik」とはつまり、「技術による先進・進化」のことです。これはアウディの出発点であるHorch社・Audi社・DKW社・Wanderer社が連合した際の会社の方針を基調としつつも、より技術を磨くことで未来に向かって突き進んで行くという会社の方向性を視覚的に表したものです。
また、このロゴに使用されている材質にもこめられた意味があります。現在のアウディのロゴはアルミニウム・シルバーで作成されていますが、これはアウディが将来的な技術的到達点として重要視している『軽量化』を体現するものとしてデザインされました。このデザインはアウディ自身とデザイン会社のMetaDesignとMutaborによって構想・制作され、現在ではアウディの旗頭として全ての車種にあしらわれています。
つまり、アウディのフォーリングスとその隣に一体的に刻印されている文字は自動車会社としての歴史の結晶を表現するとともに、未来に向けて進むための意思を表明しているものなのです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

よく読まれている記事

  • アウディの歴史は深かった
  • 4つの輪の謎…アウディのロゴにはこんな意味が込められていた!
  • これ欲しい!近未来的デザインのアウディの電動自転車